ヘブンリー・ブルーU
著者:HOCT2001


俺は、サーフィンの練習が終わったあと伯父さんが運転する車で小森さんを家まで送ったあと、下宿である伯父さんの家まで帰った。実家のほうは彩桜学園より車で3時間かかるところにある。
ではなぜ彩桜に通っているかといえば、こっちの海のほうがいい波が来るからだ。まぁ、悪い波でも乗りこなせないとプロのサーファーにはなれないのだけど、このさい、これは保留だ。

 で、今俺は何をしているかというと、階段を上がって俺の部屋に戻っているところだ。はっきり言って俺の部屋には隅に机、その対面に本棚があるだけの殺風景な部屋だ。
勉強なんてさらさらやる気がないので教科書は学校のロッカーにおいてある。本棚においてある本といえば漫画とサーフィンに関する本だけだ。
その中の1冊を取り出してもう万年床になっている布団で寝ていると睡魔が襲ってきた。あえて俺はそれに逆わらずに寝ることにした。

 
 目覚ましがけたたましくなり、俺は起きることにした。窓から外を見ると雲ひとつない快晴だった。
こんないい天気の日は、通学途中で飯田や桜井といったバカたちと出会わずに学校へ行きたいところだな、うん。
ん?何か忘れているような…
今日は、日直じゃねえかぁっぁぁ。
それが頭に浮かんだ瞬間、猛ダッシュして学校へ向かう。
この方これまででだした速さの中ではだんとつ一位ではないかというスピードで道を駆け抜けていく。

 教室について掛け時計を確認。
7時30分、か。
まさにぎりぎりだな。
途中で気づいてよかったよ。

 女子のほうの日直はまだ来ていないみたいだけど何かあったのかな?
まぁ、来る前に、黒板消しをきれいにしておいて掃除道具入れを整理しておこう。
あちゃー、掃除道具入れすげー煩雑だよ。
今度のLHRの議題にでもしようかな。
 そんなことを考えていると、キューーという車が急ブレーキをかけたような音が聞こえてきた。
 そして教室のドアが開いて、
「遅れちゃってゴメンナサイ」
という声が聞こえてきた。

 目を扉に向けると今日の女子日直『日生 楓』さんがやってきた。

「ねぇ、泉君、もしかして朝やること全部終わっちゃた?」
 と聞いてきた。
「もうやることなし。俺が全部やっちゃたから」
日生さんは申し訳なさそうに 
「ごめんね、ほんと」
といった。

 まぁ、やることなんてたいしたことではないから、なんか謝られるとこっちが申し訳ない気がする。なのでこう言った。
「謝る必要はないよ。俺だってぎりぎりだったんだから」
すると日生さんは笑顔で「ありがと」といった。

 他の生徒が来るまで時間が結構あったので、日生さんと話でもしようと思ってこう語りかけた。
「そういえば今日なんで遅れたの?」
すると彼女はニヤニヤしながら、
「鏡子とケータイで電話していたのよ。なんでも昨日鏡子と一緒にいたんだって?もしかして付き合ってるぅ?」
ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
おもいっきり噴出してしまった。
「ん、ん、ん、んなもんじゃねぇよ。サーフィンが観たいって言うから海に行っただけだ」
だからこの年頃の女子は…
で、彼女はこう続けた。
「なら、私がサーフィン見せて、って行ったら見せてくれる?」
「観たいんなら見せてやるよ」
「あら、そう。でも私サーフィンなんて興味ないのよねぇ」
「あっそ。そろそろ生徒たちが来るから席についとこうぜ」

こうしてまぁ、なんかいやな予感のする一日の始まりとなった。



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